江戸時代前期頃の毘沙門天像です。部材接着部が緩み脱落や割れが見られ、自立できないほどの状態でした。修復前は黒一色で彩色されていましたが、お寺様のご意向により極彩色仕上げで修復をすることとなりました。事前に、過去の修復例から彩色の色合いなど検討を重ねて修復に取り掛かりました。
各部材を解体し古い接着剤や
下地・彩色を取り除きます。
部材の再組み立てを行い、三叉戟、
宝塔、輪光背などを新補します。
下地の塗布と研磨を繰り返し、
表面を整えます。
金箔押し、墨線描き、顔料絵具
による彩色と進めます。
持物を取り付け、台座光背を
組みたてて修復を完了します。