仏像を中心に仏教美術、文化財の修復および制作を主業務とし、寺院の彩色行事、天井絵、壁画の彩色を手がけています。年間大小合わせ200体あまりの仏像修復を手がけます。特に彩色仏像や古代色仕上げに高度の技術を保持し、また文化財の修復および保存修復に付いても高い技術を有しています。
絵筆を持つ仕事をしたい、自分の実力を試したいと踏み出した道筋の先、 たまたま巡り合えたのが宗教美術修復の仕事です。まさに、ご縁でした。 修復の仕事にはセオリーがありません。損傷の度合いによってケースバイケース、 絶えずどういう方法論が良いか突き詰めていかなければなりません。 つまり創意工夫、試行錯誤の繰り返しです。 これまで、好奇心を持って仕事をすることをモットーとしてきました。 だからこそ、多くの仏様の修復に携われてきたのだと思います。 また、時代が流れれば無くなっていく素材も出てきます。 それに代わる新たな素材や、より良い修復方法を見つけるべく、 職人として常にアップデートしていきたいと考えています。
創業者 蟹江昇
大学生時代は、まちづくりに関わる活動に力を入れていました。 自らが手掛けたイベントが継続し、まちを盛り上げていく様を目の当たりにして、 やりがいを感じていました。 そうして「続いていくこと」に魅かれた私は、その最たるもの、 宗教美術の修復という仕事が身近にあることに気づきます。 何百年かの歴史に携わり、また後の何百年につなげていく。 いわば職人による「歴史のリレー」。 家業の素晴らしさに思い至り、職人になることを決意しました。 歴史や伝統が残されるのは、決して〝当たり前〟などではありません。 それらを大切に守ってきた人々の意志の賜物です。 誰かが手を合わせている、信仰の対象に触れているという気持ちを忘れず、 日々、敬いを持って修復に当たるようにしています。
代表取締役 蟹江隆広